プロ野球選手はつらいよ➡戦力外通告の時期

戦力外通告が続々

もう来月は11月。戦力外通告も10月いっぱいで終わる。しかし戦力外通告を言い渡されたプロ野球選手は究極の選択の真っただ中にいる。引退か現役続行の二択だ。

プロ野球選手の平均引退年齢は29歳と言われる。でもこれはあくまでも平均であり誰もがこの年齢までやれるというものではない。

高卒で入団した選手が3年くらいで戦力外になるという例もある。入団時に「大学に行ったつもりでくればいい」と言われて入団して3年で戦力外と言うのは…「将来性」がないと判断されたのだろう。

あとはどんな会社でもあるが人間性だろう。プロまで来る人というのは地元では「野球の天才」と言われていた人がほとんどだろう。高校、大学も一般入試でははいらず推薦で入っている場合が多い。挫折の経験を初めてプロで味わった人も多い。

このような人が戦力外通告を受けて直面するのが「野球以外の知識のなさ」だろう。

だから結構最近の戦力外通告を受けた人は「球団スタッフ、裏方」になる人が多い。だがこれになれる人と言うのも現役時代の「人間性」が左右するのも事実だろう。

「どんな形でも野球とかかわりたい」の本音

戦力外通告を受けた人が必ずいう事は「野球に携わる事がしたい」と言う。これはプロ野球の世界」しか知らないという事に起因している。

年齢が上がるほど再就職は厳しくなるのはどの世界も同じだ。だからこの世界に残れるのならと考えるのも当然だろう。

裏方になるのには正直なところ抵抗があるのも確か。だがその抵抗をなくしたのが福岡ソフトバンクホークス三軍投手コーチ入来祐作氏だろう。

彼は横浜ベイスターズで用具係をしていた。なぜ用具係になったのかといえば「打撃投手」として通用しなかったからだ。今迄打たせないようにしていたのが、打たせなくてはならないという切り替えができなかったのが原因だ。そんな紆余曲折を経て用具係になった。本人は抵抗もあったらしいが真摯に仕事に取り組んだ。

彼は常に「またユニホームを着たい。またプロ野球選手になったという実感がわくから」と言っていた。その希望をかなえてくれたのが、現ソフトバンク監督工藤公康氏だ。彼は入来氏についてこう語っている。「野球に対して真摯に取り組んでいる。そこに選手、用具係という区別はない。コーチ経験があるないというのは僕にとっては二の次」だと。

この入来氏の例があるから最近は裏方になるのも競争が激しくなっている。

選手も裏方に対する感謝のコメントが増えた

最近はビールかけをやる特に「選手だけでなく球団スタッフ、裏方さんの協力があったから優勝できた」というコメントが出るようになった。このようなコメントが出るようになったのは裏方にとっては大変うれしいことだろう。やはりチームスポーツなんだと思わせる言葉だ。

楽天監督の野村克也氏も裏方に対する気遣いをしていた一人だ。日本シリーズだったと思うが優勝して日本一になった。それで賞金が出たが彼は「裏方や雑用の人も含めて頭割りにしろ」と指示した。理由は一人当たり3万くらいになるらしかった賞金で「家族をファミレスにでも連れて行ってやれば、親父の株も上がる」という気持ちからだったという。

これと対極にあるのが元巨人監督の長嶋茂雄氏。彼が監督賞として50万出したときに選手に「これでうまいものでも食べてこい。これだけあれば1回や2回飯食いにいけるだろう(笑)」と言ったという逸話がある。選手は「どれだけ豪華な飯を食べているんだ?」と思ったらしい。