北海道日本ハムファイターズ 飯山裕志選手引退

10月3日引退試合

飯山裕志選手が今シーズン限りで引退する。日本ハム一筋20年でホームランはわずか1本の選手で、主に守備固めで出場していた選手だ。全国的にはあまり知られていない選手かもしれないが、北海道や日本ハムファンには知らない人はいない。

引退試合をやってもらえる人は幸せだ。ほとんどの選手は引退したことなど世間の人には知られずにひっそりとユニホームを脱いでいく。プロ野球選手の平均実働は7,8年。それを大幅に上回る20年という選手生活を全うした飯山選手に拍手を送りたい。

引退試合は途中出場

今日の引退試合、栗山監督はスタメンで起用するつもりだったのだが飯山選手本人が固辞したという。「自分は途中から守備で出る選手。スタメンなんておこがましい。」というのがその理由だ。いかにも縁の下の力持ち的な存在だった彼らしいコメントだ。

今日は8回からの出場。遊撃手として出場した。二塁手田中賢介。同世代同士の二遊間は感無量だ。

守備機会は2回あった。1つ目はセカンドゴロからの併殺。併殺は二遊間の呼吸が合わないと絶対に成立しない。飯山選手のプレイばかりに注目が集まるが、田中賢介のトスが絶妙だった。「ボールを取りやすい所、投げやすい所」に投げるのは簡単そうに見えて結構難しい。どんなに難しいかはやってみればわかる。

2回目は9回2アウトからのショートゴロ。2塁ベースの上を抜けそうなゴロを取ってのアウト。このプレイを可能にしたのは守備位置の取り方と一歩目の早さに尽きる。もちろんグラブさばきもあるが、重要なのはポジション取りだ。

こんなにいいプレイをする選手なのに引退しなければならない。ケガも原因としてはもちろんある。だがこの飯山選手のレベルでもプロ野球ではレギュラーになれないという現実がある。凄まじい世界だと再認識した。

彼の体はもうプロのレベルでフルシーズンプレイできる体ではないのだろう。今はともかくゆっくり休んでいただきたい。

飯山選手の後継者はいるか?

飯山選手の後継者がいるか?といえばいないのが現実。プロである以上誰もが「レギュラーになりたい」と思ってやっている。だが壁にぶつかり自分の生きる道を模索するしかない選手がいるのも確かだ。

守備固めというのは実に地味な役回り。1点差で守備固めに入るのは相当なプレッシャーがかかる。エラーはできない、エラーしたら守備固めの意味がなく批判にさらされる。このプレッシャーに耐え切れる人物というのはそうそういない。

強いて言えば、今の北海道日本ハムファイターズでは田中賢介がそのポジションに収まるのがしっくりくる。残念ながら彼は若手中心に切り替えようとしているチームで浮いた存在になっている。だが彼の安定した守備力は捨てるには実にもったいない。

フルイニング出場は無理でも代打もできるし、守備固めにも使える。なによりも若手の生きた手本となる。このことが一番大きい。

ベテラン選手というのは人格者であると同時にプロとしての厳しさというのも見せなくてはならない。それができるのは田中賢介以外にはいないだろう。